もうひとつの京都 VI
京都府
GK京都のデザイン支援
京都府が推進する広域観光・地域づくりプロジェクト「もうひとつの京都」に、2013年の立ち上げから参画。行政や地域、事業者など多様な関係者とともに、地域の魅力を発信するためのブランドづくりを支援してきました。
「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」のシンボルマークや広報ツール、バス・観光船・鉄道などのラッピング、空間デザインを手がけるとともに、各事業で展開されるデザインの監理にも取り組んでいます。
背景
「京都」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、寺社仏閣や伝統文化が集積する京都市です。一方、南北に長い京都府には、日本海沿岸の景観や豊かな森林、宇治茶をはじめとする茶文化、竹林など、地域ごとに異なる自然・歴史・文化が広がっています。
こうした京都市以外の地域が持つ魅力を広く発信し、観光を入り口とした地域づくりにつなげるため、京都府は2013年から「もうひとつの京都」の取り組みを開始しました。それぞれの地域資源を活かした観光地域づくりを進めています。
課題・目指したこと
広大な京都府域には、それぞれに固有の歴史や文化、自然があります。しかし、それらは個別の観光資源として発信されることが多く、地域全体の魅力として認識されにくいという課題がありました。
そこで、各地域の個性を尊重しながらも、「京都」という強いブランドとのつながりを活かし、新たな地域ブランドを構築することを目指しました。単なる観光プロモーションにとどまらず、行政、地域住民、企業など多様な主体が共通のビジョンを持ち、地域の魅力を継続的に発信していくための仕組みづくりにも取り組んだものです。
コンセプト
京都市だけが京都ではなく、京都府域に広がる多様な地域を、それぞれ独立した魅力を持つ「もうひとつの京都」として捉えました。 日本海とともに発展し、大陸からの文化を受け入れてきた「海の京都」。豊かな森林と人々の暮らしが育んだ「森の京都」。800年にわたる茶文化が息づく「お茶の京都」。
地域ごとの個性を明確にしながら、「京都」というブランドの新たな広がりをつくることを目指しました。京都府も、それぞれを広域的な地域ブランドとして確立し、観光を通じた地域経済の活性化を目標に掲げています。
デザインプロセス
プロジェクトの立ち上げ段階から推進会議に参画し、行政や地域、事業者など多様な関係者との議論を重ねながら、地域の魅力をどのように可視化し、共有していくかを検討しました。
各エリアのシンボルマークを起点に、ポスターやパンフレットなどの広報ツール、チケット、交通機関のラッピング、空間デザインなど、さまざまな接点へとデザインを展開。
また、多くの行政や事業者が関わる長期的なプロジェクトであることから、個別のデザインをつくるだけでなく、各所で制作されるツールや施策についてブランドとしての統一感を確認・調整するデザイン監理にも取り組んできました。
具体的な表現
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「海の京都」ビジュアルアイデンティティ 「海の京都」は、日本海を通じて大陸から人や文化が訪れ、それらが京都市へと伝わっていった地域です。シンボルマークには、海の京都エリアから京都市を見つめる視点を込めました。「千年の都」として知られる京都市に対し、それよりも古くから大陸との交流の入口として文化を受け入れてきた地域としての歴史と誇りを表現しています。 京都市を中心に語られることの多い「京都」の歴史を、府域の周縁から捉え直す。この地域ならではの視点そのものを、ブランドの象徴に込めました。

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他地域へも展開しブランド力を高める 「森の京都」「お茶の京都」でも、「海の京都」の制作と同様に、それぞれの地域が持つ特徴や風景を象徴するシンボルマークとロゴタイプを開発。形や色によって地域の印象を視覚的に伝えることで、多様な情報の中でも記憶に残りやすく、各地域の活動を横断して活用できるブランドの基盤をつくりました。
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多様な接点への展開 シンボルマークを起点に、ポスターやパンフレットなどの広報物だけでなく、路線バスや観光船、鉄道などの交通機関、空間へとデザインを展開しました。

社会にもたらした価値
「もうひとつの京都」は、京都府域を各エリアとして捉え直し、それぞれの地域が持つ固有の魅力を地域ブランドとして発信する取り組みへと発展しました。京都府によると、取り組み開始年である2013年と2018年を比較すると、「もうひとつの京都」エリアの観光入込客数は1.2倍、観光消費額は1.4倍に増加。
本デザインは、地域の魅力を視覚的に伝えるだけでなく、多様な地域や関係者が共通のビジョンを共有するための基盤として機能しています。
Credit
- クライアント
- 京都府 海の京都観光推進協議会 海の京都DMO お茶の京都DMO ほか
- プロジェクト実施期間
- 2013年 -
- 領域
- ブランディング コミュニケーションデザイン
- 担当
- 吉田 治英 三宅 玲子 池田 啓介 名倉 剛志 横山 愛子
- 受賞
- 日本サインデザイン賞 2015

