逃げトレ
逃げトレ開発チーム
GK京都のデザイン支援
津波の浸水シミュレーションと自分の避難行動を重ねて確認できる、津波避難訓練アプリ「逃げトレ」と、「逃げトレ」で蓄積された避難訓練データを地域の避難戦略の検討に活用する津波避難戦略検討システム「逃げトレView」の開発に携わりました。
本プロジェクトは、京都大学(矢守克也研究室)、九州大学(杉山高志研究室)、有限会社アールツー・メディアソリューションなどと共同で実施。GK京都も開発チームの一員として取り組んでいます。
両サービスにおいて、アプリのあり方検討から開発・実装にいたるUX・UI、ネーミング、ロゴ、プロモーション・ツールの企画・制作まで、一連のブランディング・デザインを担当しました。
背景
津波から命を守るためには、避難場所や避難経路を知るだけでなく、自分がどう行動するかを事前に決めておくことが重要です。地震発生から避難を始めるまでの時間や、避難経路、移動の手段・速度などによって、避難の結果は変わります。
東日本大震災(2011年)の直後より検討を開始し、2018年にサービスを開始したスマートフォンアプリ「津波避難訓練アプリ 逃げトレ」は、地域の津波浸水シミュレーション動画と自分の位置情報によって、迫りくる津波の接近度合いを確認しながら、個人それぞれの実情に応じた津波避難トレーニングが行える仕組みとして開発しました。
その後、個々のトレーニング結果から得られたデータを収集・分析し、地域全体の防災に活かす「津波避難戦略検討支援システム 逃げトレView」を開発、2026年4月にサービスを開始しました。一連の「逃げトレサービス」では、個人の安全確保行動の確認から、地域の防災戦略の検討へと活用の範囲を広げています。
コンセプト
本プロジェクトの考え方を表す言葉として、「個人の避難行動を高め、地域の減災に活かす」と拡張しました。
逃げトレサービスは、いつでもどこからでも津波避難訓練ができるスマートフォンアプリ「逃げトレ」と、そこから得られる個々の訓練データと津波予測データを活用して地域単位での分析ができるWebアプリ「逃げトレView」による情報プラットフォームです。一人ひとりのトレーニング情報を、個人の学びにとどめず、社会全体の課題解決に役立てる。住民が主体的に参加し、その行動データを社会課題に活用する「シチズンサイエンス」の考え方にもつながっています。
具体的な表現
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自分の避難行動と津波の動きを重ねて表示 「逃げトレ」アプリでは、画面上で自分の位置と津波の浸水状況の変化を確認しながら避難トレーニングを行います。津波がどこまで迫っているかを時間の経過とともに把握でき、避難行動の結果を振り返ることで、避難先や経路、避難開始時間や手段などの行動を見直すきっかけになります。

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地域の避難行動を地図とデータで可視化 「逃げトレView」では、「逃げトレ」アプリで蓄積された個々の訓練結果データを地図やチャートに表示。避難の成否や始点・終点、経路、参加者属性など、エリアごとの傾向を把握し、重点的に対策すべき地区や地域ごとの防災戦略を検討するための情報を提供します。

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複数の避難行動を重ねて見せる比較表現 複数の避難訓練データを重ねて、避難経路や人の流れをタイムラプスで確認できます。さらに、訓練時の記録をもとに条件を変えて再分析することで、避難開始の遅れや津波の規模の違いが避難に及ぼす影響を検討できます。

社会にもたらした価値
「逃げトレ」アプリと「逃げトレView」が社会にもたらせた価値の具体例の一つとして、宮崎県宮崎市青島地区での防災学習があげられます。2024年8月の日向灘の地震が発生した際には、高校生を中心に両サービスの活用が進められており、直前に避難訓練を行っていた生徒たちが、訓練で学んだことをもとに発災時に率先避難し、住民のみならず、観光客を誘導し安全に避難することができました。逃げトレが、災害時の行動につながった事例です。
また、訓練データを地域単位で分析できるようになったことで、自治体や地域が避難行動の傾向を把握し、避難経路や避難計画を検討するための新たな判断材料が生まれています。
個人が避難を体験することと、地域全体で避難戦略を考えること。その二つをデータでつなぐことで、住民の主体的な参加を地域の防災・減災に活かす仕組みへと発展しています。
Credit
- クライアント
- 逃げトレ開発チーム 京都大学 九州大学 GK京都 アールツー・メディアソリューション
- プロジェクト実施期間
- 2014年
- 領域
- コミュニケーションデザイン
- 担当
- 卜部 兼慎 横山 愛子 小沼 健太郎 名倉 剛志 山﨑 友里江 高橋 直希 土肥 真維華
- 受賞
- グッドデザイン賞 2018(金賞)



