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ねこじゃすり

ねこじゃすり

株式会社ワタオカ

やすり製造技術を用いて、
猫と人の新しいコミュニケーションを生み出す

GK京都のデザイン支援

猫用グルーミングブラシ「ねこじゃすり」の商品開発を、プロダクトデザインからパッケージ、ロゴ、Webサイト、プロモーションまでトータルにデザイン・ディレクション。まだ世の中にない道具のコンセプトづくりから、クラウドファンディングや販路へのアドバイスまで、ブランドに関わる一連の取り組みを支援しました。

背景

株式会社ワタオカは、1890年に広島県呉市で創業した金属製両刃ヤスリの製造事業者です。品質に自信を持つ一方、国内のものづくりの変化による需要減や、低価格な海外製品の流通により、経営に影響が出始めていました。

そこで、ヤスリ技術を従来のものづくり以外の用途へ応用するため、新商品開発に取り組んでいた中、樹脂製ヤスリの試作品で猫を撫でたところ、とても気持ちよさそうにする様子に着目。その凹凸が猫の舌に似ていることから、猫同士が舐め合うグルーミングのような道具としての可能性を見出しました。

課題・目指したこと

これまで世の中になかった道具を、単なる「猫用のヤスリ」としてではなく、猫と飼い主の新しいコミュニケーションを生み出す商品として、どのように価値づけ、届けていくかが課題でした。そこで、ヤスリの特徴である猫の舌に似た凹凸を活かし、「このヤスリで撫でられて気持ちよくなる愛猫と、その様子を見て癒される飼い主」という具体的な使用シーンを描きながら、新しい道具の価値を伝えることを目指しました。

コンセプト

まだ世の中にない道具を「コミュニケーションブラシ」と定義し、猫同士がグルーミングし合うような感覚で、猫と飼い主のコミュニケーションを生み出す商品として位置づけました。

また、「ねこがうっとりとろける不思議な道具」というキャッチコピーを開発。猫が気持ちよくなるだけでなく、その様子を見て飼い主も癒されるという、商品を介した時間そのものを価値として捉えました。

デザインプロセス

ワタオカとともに試作を重ねながら、猫の舌に似たヤスリ面という商品の特徴を活かし、プロダクトの形状や使い心地を検討しました。 ヤスリ面を再現するには、非常に細かな凹凸を樹脂成形する必要がありました。異なる分野で培ったネットワークを活かした技術的なサポートも行うことで、これまでにない細かな凹凸を持つヤスリ面を実現しました。

さらに、商品そのものだけでなく、パッケージ、ロゴ、Webサイト、プロモーションなど、ブランドに関わるすべてを一貫した世界観でデザイン。リラックスしたムードとワタオカの人となりを感じられるストーリーをつくり、ユーザーが商品に共感できるブランドイメージを構築しました。

また、開発資金調達のためのクラウドファンディングや販路へのアドバイスなど、商品をつくるだけでなく、世の中に届けるための取り組みまでトータルに支援しました。

具体的な表現

  • あらゆるタッチポイントから世界観を伝えるブランディング

    ワタオカの発案を元にコンセプトのブラッシュアップ、キャッチコピー、プロダクト、パッケージ、ロゴ、Webサイト、プロモーションまでをトータルにデザイン。商品の機能だけでなく、猫と飼い主が過ごすリラックスした時間を感じられるという一貫した世界観を作りました。

    あらゆるタッチポイントから世界観を伝えるブランディング
  • 応援されるクラウドファンディング設計

    金型制作資金を集めるためのにクラウドファンディングをサポートしました。世界観を魅力的に伝えるため、支援ページをデザイン。また、プロモーションムービーの制作も監修しました。その結果8時間で目標金額に達成し、最終的には940%を実現しました。

    応援されるクラウドファンディング設計
  • 共感を生むSNSプロモーション

    「営業マンは猫だ」という考えに至り、プロモーションアイデアを共に考える中で、ねこじゃすりを使って猫がとろけている様子をSNSに投稿してもらうための仕掛けとして、「うっとり顔コンテスト」をワタオカが開催。かわいいうちの子を見てほしいという飼い主心理を刺激し、「#ねこじゃすり」でたくさん投稿され、注目を集めました。

    共感を生むSNSプロモーション

社会にもたらした価値

「ねこじゃすり」は、老舗ヤスリメーカーが培ってきた技術を新たな用途へ展開することで、これまでになかった商品カテゴリーと新しい市場を生み出しました。

2017年の発売以降、約25万本が購入され、国内の猫を飼っている家庭の約5%が所有する商品へと成長。2018年度グッドデザイン賞、iF Design Award 2019、Red Dot Award 2019など、国内外で評価されています。また、メディアへの露出や新規顧客の開拓にもつながりました。

さらに、ワタオカが継続してきた保護猫活動への思いもブランドに反映。売上の一部を保護活動や動物愛護の啓発活動に寄付するチャリティーモデルの販売も2020年より開始。

このチャリティーモデルでは、思いを伝えるために特別なデザインを施しました。ロゴマークの招き猫に、不妊去勢手術を受けた地域猫の印である耳先をV字にカットした桜耳や、飼い猫の印である首輪を取り入れています。また、パッケージ内箱にも「すべての猫が幸せに暮らせますように」というメッセージを添えました。また、Webサイトのモデルには元保護猫を起用しています。

Credit

クライアント
株式会社ワタオカ
プロジェクト実施期間
2017年 -
領域
デザインマネジメント ブランディング プロダクトデザイン パッケージデザイン WEBデザイン
担当
麻田 風児 横山 愛子 塩崎 恭子
受賞
グッドデザイン賞 2018 iF Design Award 2019 Red Dot Award 2019 日本パッケージデザイン大賞 2021 Design Intelligence Award 2019

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