京都生活協同組合のリブランディング
京都生活協同組合
GK京都のデザイン支援
京都生活協同組合「KYOTO COOP」のブランディングパートナーとして、ブランド戦略の再構築から、生活者とのさまざまな接点におけるデザインまで、総合的な支援を行っています。
2021年には、1985年にGK京都が手掛けた旧VIから約36年を経て、ブランドロゴを中心としたVI(ビジュアル・アイデンティティ)をリニューアル。プライベートブランド商品のパッケージ、宅配トラック、店舗、ユニフォーム、WEBサイトやスマホアプリ、プロモーションなど、幅広い領域でデザインを展開し、現在も継続的なデザインマネジメントに取り組んでいます。
背景
京都生活協同組合は、京都の人々の暮らしを支える生活協同組合として、長年にわたり「安全・安心・信頼」を大切にしてきました。
一方、高度経済成長期の子育て世代とともに発展してきた京都生協は、組合員の高齢化という課題に直面していました。また、若い子育て世代からは、やや古く閉鎖的なブランドとして認識されていることも、京都生協自身の調査から明らかになっていました。
少子高齢化や人口減少、環境問題、防災意識の高まり、地域コミュニティの希薄化など、社会環境が大きく変化するなか、2030年ビジョン「京都生協は新たな希望をつくる」を掲げ、これからの時代にふさわしいブランドへの変革が求められていました。
課題・目指したこと
長年にわたる組合員活動の積み重ねによって培われたブランドの信頼や価値。一方で、社会環境や生活様式が変化するなか、従来のブランド表現やコミュニケーションと、新しい世代の価値観や感性との間には、次第に隔たりが生じていました。これまでの資産を活かしながら、時代にふさわしいブランドへと進化させることが求められていました。
こうした課題を踏まえ、メインターゲットを子育て世代に再設定するとともに、高齢者の暮らしを支える生活インフラとしての役割も維持・向上させることを目指しました。長年培ってきた信頼を受け継ぎながら、若い世代にも選ばれ、職員自身が誇りを持って薦められるブランドへの進化を目指しています。
コンセプト
2030年ビジョン「京都生協は新たな希望をつくる」を具体的なデザイン表現へと展開するため、「Social Good Loop」をキーワードに、「誠実さをベースに、明るく楽しく、つながりの輪が広がるデザイン」という指針を設定し多岐に渡るタッチポイントのデザインを刷新しています。
デザインプロセス
京都生協のブランディングチームと一体となり、まずは生活者とのさまざまな接点を総点検する「クリニック」を実施。長年の運用や経年変化によって現状が当たり前となり、内部からは気づきにくくなっていた問題点も数多く洗い出し、デザイン課題を網羅的に把握して双方で共有することから始めました。
次に、定量・定性調査をもとに「ブランド戦略」を策定。ターゲットの再設定とその特性の理解を深めながら、既存のブランド資産の何を強化し、何を払拭・刷新するのか、今後どのようなブランドであるべきかを議論し、取捨選択を重ねました。
このプロセスを貫くGK京都の特色は、「論理と感性」を往復する姿勢です。論理や言葉で方向性を固めてから表現を考えるのではなく、分析と直感、戦略と造形を行き来しながら相互に検証する。長年培ってきたこのアプローチによって、より本質的で創造的な解を探っています。
具体的な表現
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ブランドを象徴する3つの輪 新しいブランドロゴの中心となるのは、色やパターンの異なる3つの輪です。これまでの「安全・安心・信頼」を受け継ぎながら、KYOTO COOP、地域、地球という3つの要素を表現しています。多様性や助け合い、持続可能な社会への姿勢を象徴し、明るく親しみやすい表現によって、幅広い世代に開かれたブランドの姿を目指しました。
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ブランドの存在感を高める商品パッケージ 2021年から、プライベートブランド「KYOTO COOP 商品」のパッケージデザインのリニューアルにも取り組んでいます。 独自性が薄れていたパッケージを見直し、京都生協ならではの個別性や識別性を強化。商品ごとの違いを保ちながら、売り場でのブランドのまとまりや存在感を高めることを目指しました。「安全・安心・信頼」に加え、商品づくりへの自信やこだわり、暮らしとの調和を意識した表現を取り入れています。

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内と外の視点をつなぐユニフォームづくり ユニフォームのリニューアルでは、京都生協のコアメンバーの主導で全部門から担当者を選任し、部門横断型の「制服委員会」を発足。機能性とデザイン性の両面から、現場で働く職員のニーズや意見を丁寧に汲み取りながら、生活者からどう見られ、どう見せたいかという外部の視点との両立を図りました。 GK京都は、メンバーと一体となって委員会の運営や意見の集約をサポートし、ユニフォームデザインの方向性を策定。職員自身が主体的に関わり、誇りを持って着用できるユニフォームづくりを進めました。
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歌によって商品を印象付ける プライベートブランド商品「せいきょう牛乳」のプロモーションとして、オリジナルソングと動画を制作しました。作詞・作曲・歌唱・演奏から動画制作までを一貫して手掛け、商品名を繰り返す歌詞で印象に残るよう工夫しました。スーパーの店内で流れることを想定し、歩く速さに近いテンポや、パッケージデザインと相性の良いマリンバの音色、子どもも歌いやすい音域など、細部までこだわり、親しみやすく覚えやすい曲に仕上げました。
社会にもたらした価値
京都生活協同組合のリブランディングは、長年培ってきた信頼を受け継ぎながら、次の世代にも選ばれ続けるブランドへと進化させ、磨き続ける取り組みです。
生活者にとって、暮らしをより良くする「頼もしき隣人」であり続けるために。京都生協の理念や活動の価値を、さまざまなタッチポイントを通じて日々の暮らしに伝え、京都生協の方々とともにブランドを育み続けています。
Credit
- クライアント
- 京都生活協同組合
- プロジェクト実施期間
- 2021年〜現在
- 領域
- ブランディング コミュニケーションデザイン パッケージデザイン 空間デザイン
- 担当
- 麻田 風児 金谷 知佳 谷本 吏 横山 愛子 高橋 直希 土肥 真維華
- 受賞
- 日本パッケージデザイン大賞 2025


