本文へスキップ
高圧洗浄機 JTK28

高圧洗浄機 JTK28

Alfred Karcher GmbH & Co.

国を超えた文化の違いを理解し、製品の価値を浸透させる

GK京都のデザイン支援

ドイツに本社を置くAlfred Kärcher GmbH & Co.(以下、ケルヒャー)の、2012年発売の第二世代モデル「JTK28(ジャパネットたかた専用モデル)」の製品デザインを担当しました。2009年発売の第一世代モデル「JTK25」に引き続き、商品企画・市場調査のサポートから製品デザインまで携わっています。

海外から見た日本の印象や、日本の生活文化、購買動機に対する視点の違いを理解していることは、弊社の強みの一つです。米国駐在経験者が多いという特性も活かし、海外メーカーが日本市場に参入する際に、製品が提供する価値を適切に伝え、生活者の暮らしに自然に受け入れられる製品づくりを支援しています。

背景

ケルヒャーでは、ドイツ本社でデザインした製品が日本市場で十分に受け入れられていないという課題がありました。そこで、日本の生活文化や市場特性を踏まえた製品開発を目指し、日本のデザイン会社との協働による日本向け製品の開発を検討。こうした背景から、弊社にデザインの依頼が寄せられました。

課題・目指したこと

日本向け製品の開発にあたり、日本の住生活文化や生活者のニーズを理解し、製品デザインに反映することが重要となります。住宅の広さや駐車場と住まいの関係、収納スペースの大きさといった住環境に加え、高機能であることだけでなく、小型で静音性に優れていることなど、日本の生活者が製品に求める価値を共有する必要がありました。

そこで、ドイツの企画・デザイン担当者が日本の暮らしを具体的に体感し、理解できるよう、GK京都メンバーの自宅や家電量販店、ホームセンターなどを案内しました。日本で得た実感をもとに、帰国後も担当者自身が「自分事」として捉え、主体的にプロジェクトを進められることが狙いでした。

コンセプト

従来の欧米向け製品では、購入後に組み立てると想像以上に大きくなることや、付属品が多く、それぞれの収納場所の確保に苦労するといった課題がありました。

そこで「片手で全て持ち運べる」をコンセプトに設定。使用時には簡単に持ち運べ、保管時にはコンパクトに収まり、付属品も直感的に収納できる製品を目指しました。

デザインプロセス

ケルヒャーの企画・デザイン担当者の来日に合わせ、滞在期間中にデザインの方向性と骨格を定め、その後、帰国してから設計・製造要件などの詳細を詰める進め方を採用しました。

来日したメンバーは、企画・デザインの視点から議論できるだけでなく、デザインの方向性を決定できる立場にありました。GK京都と直接議論を重ねることで、日本の住生活文化への理解を深めながら、デザインの方向性を短期間で定めることができました。

具体的な表現

  • 一目見て印象に残るオーバルシェイプ(楕円形状)

    「片手で全て持ち運べる」というコンセプトに基づき、アイデア展開を重ねる中で導き出したのが、2本のホースの収納を直感的に示唆するオーバル形状です。付属品が収まりやすく、機能性と造形のまとまりを両立した形状としました。

    シンプルで印象的な形状を基本に、ケルヒャーのコーポレートカラーである黄色を採用。オーバルシェイプとブランドイメージを結びつけ、ジャパネットたかた専用モデルとして印象に残る、象徴的な造形を生み出しました。

    一目見て印象に残るオーバルシェイプ(楕円形状)
  • 取っ手にガン・ノズルを収納

    持ち手部分に長さのある部品を取り付けられる構造とすることで、収納時や持ち運びの際にかさばることを抑えました。ガン・ノズルなどの付属品を本体にまとめ、必要なノズルだけを取り外して使用できる構成です。

    持ち手部分をガン・ノズルと同じ色にすることで、収納時の取り付け位置を直感的に把握できるようにしました。機能的な収納と色彩による視覚的な整理を組み合わせ、コンパクトな印象にもつなげています。

    取っ手にガン・ノズルを収納

社会にもたらした価値

JTK28は発売後、顧客を増やしながらモデルチェンジを重ね、日本市場で展開されてきました。

日本の住生活文化や生活者の行動・志向を踏まえ、製品の機能性だけでなく、使用前後の扱いや収納といった日常の使い方にも配慮したデザインです。欧米メーカーの合理的・機能的なアプローチに、日本の生活者の暮らしに寄り添う視点を取り入れたことが、製品の特徴となっています。

こうしたデザインを通じて、日本の住生活文化に製品の価値を浸透させてきました。機能の進化に伴うモデルチェンジを経ても基本形状は維持され、オーバルシェイプは製品を特徴づける造形として受け継がれています。

Credit

クライアント
Alfred Karcher GmbH & Co.
プロジェクト実施期間
2012年
領域
プロダクトデザイン リサーチ
担当
田村 基 山本 尚志 笹倉 秀介

Works 一覧へ